オホーツク移住生活
町のこと
- 滝上町
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町のこと日記 2005年12月18日
北海道の真中より少し上くらいに天塩岳という大きな山があり
そこからちょろちょろと湧き出でて海へ向かっている流れが渚滑川(しょこつがわ)です。
護岸少なく自由にのたうった、なかなか美人奔放の川であります。
そうしてこの川は山裾から伸びる斜面を緩やかに下りながら
途中でサクルー川という支流と合わさった後で平野部へ出て、
流氷の海オホーツクへと流れ出ます。
この渚滑川とサクルー川に分断された、
海に向かって肩下がりの斜めの土地が私の住んでいる町です。
三方山に囲まれており、海側だけが平野に向かって開けています。
渚滑川とサクルー川のまさに合流点ぴったりの、地図上とてもわかり易い場所に斜めに建っているのが私の住む家です。
実際住んでみて傾いているのみならず、外からちょっと見るだけでもやっぱりきちんと傾いています。
この町の役場に昭和60年の町の航空写真が展示してありますが、
当然その写真にもこの家はしっかりと映っています。
家の柱には鉛筆書きで「145.8センチ 1964年12月25日中学一年D組」と記された背比べの跡があります。
少なくとも私が生まれるより12年も前から建っていたという動かぬ証拠です。
おそらく建築当初はまっすぐ建っていたのに40年あまりの歳月の間に傾いてしまったのではないかと思います。
どれくらい傾いているかという自慢話がいくつかあります。
水羊羹を作ると斜めの水羊羹がになります。
台所の窓は放っておくと一日で勝手に開きます。
ストーブにやかんをかけて置くときは南側に注ぎ口を向けておかないと
沸騰した時に口からお湯があふれて噴き出します。
大皿料理などに調味料をかけると低い方に多く流れるので
濃い味の好きな同居人が低いほうで食事を取ります。
ではこの傾いた家から出てすぐの小さなリバティー橋を通って
サクルー川を渡ってみましょう。
山の中腹に神社があります。
神社らしく段差低い長い階段がだらだらと続いています。
大雪の降った後で深雪に腰まで埋まりながらこけつまろびつ上ってみると
とっても面白いです。
境内の松にはゴジュウカラが住んでいていつも幹を叩いていましたが、
雪が降り始めてから見かけなくなりました。
顔がひしゃげた白犬も住んでいて、寂しそうにしています。
雨がふったり雪が降ったりした後は元気なのかと見に行きます。
この小高い場所から今度は下を見下ろすと製材所が見渡せます。
いつも数人の人が丸太を板にしていて、木の匂いが山の上まで漂います。
12時45分に午後の始業のベルが鳴り一斉に人が出てきて機械が動く、
その光景も好きです。
総面積の九割が山林であるこの土地は昭和22年林業隆盛の中で村から町へ変わったのですが、
当時の人口は今の倍の六千人ほどもあったといいます。
神社の小山を降りてそのままもう少し上流へ行ったところ、
ちょうど家から歩いて十分ほどの距離に図書館があります。
本も雑誌も新聞もCDもあります。
利用者がほとんどいないので貸し出しカードはなく、
カウンターで名前を言えば二週間で読めるだけの本を借りることができます。
でもカウンターに人がいないときも多いので、
そういうときはコンニチワーとのどかに叫びます。
絵本が多くあって絨毯の上で裸足になって読むことができます。
この町への移住を決める決め手のひとつだった程、素敵な図書館です。
建物は同時にバスターミナルでもあり、
私の故郷へ向かう長距離バスもここから出ます。
昔はここから鉄道渚滑線が出ていたので駅舎も残っています。
その少し上流に町最大のスーパーがあります。
品揃えもお値段も「うん、まあね。」と言ったところです。
ならびに金物屋さんや電気屋さんも少しあります。
さてさらに虹の橋を渡って渚滑川の向こうも見てみます。
町役場やら郵便局やらが集まった通りがあります。
これが町のメインストリートなのかもしれませんが、
大きな商店があるわけではなく、まあちょっと中途半端です。
でもとてもおいしいパン屋さんがあります。
パン屋さんのパンではなくって家で作るような、
お母さんが手で焼いたパンの味がします。
生クリームアンパンも、メロンパンも、バターロールもとてもおいしいです。
渚滑川を今度は下流の方へ歩いていくと
30分くらいで温泉があります。
家の裏もお風呂屋さんですが、ちょうどお散歩によい距離なので
頻繁に行きます。
この、家から「遠いほうの風呂」までの川沿いの道が遊歩道になっていて、
これが「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれているそうです。
確かにとても美しくて宝箱のような道なのですが普段はあまり歩いている人を見かけないので、
それ程たくさんの人が「歩きたく」なっている訳でも無いと推測されます。
川を渡った向かいがお城のように唐突に瀟洒な道の駅です。
建物は豪華に過ぎますが中は素朴できれいできちんとしています。
外に小さなログハウスが建っていて夏の間「芝桜ソフトクリーム」を売っています。
夢のようにきれいな色で、とっても美味しいのですが、
冬の間は食べられません。
ずっとずっとこの川沿いをもっと下って60キロ程いくと毎日の朝ごはんのおかずを釣りに行く隣町の漁港があります。
大雑把に見渡すと、こんな感じのところに住んでいます

