北海道の遊歩道
ワッカ原生花園

- ワッカ原生花園
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ワッカ原生花園日記 2006年06月29日
サロマ湖というオホーツク海に張り付いたように横に長い湖がある。
海側の一箇所だけが途切れていてそこから僅かに真水と海水の交換が起こっているその湖の、
長く伸びた砂州を包む自然の花園がワッカ原生花園。
幅200〜700mの、約20kmに及ぶ海岸の草原だ。
潮風が吹き付けるなだらかな曲線の大地には丈高い植物はなく
どこまでも低い草が茂る、不思議な風景が続く。
誰が名付けたのか「竜宮街道」という、海に沿って長く伸びる道は
車の乗り入れ禁止という、美しい措置がとられているので
人々はちょっと陽気な顔をしてレンタサイクルに乗って行き交う
なぜかみんな大きな声で笑う
潮の香りのする中でハマナスに囲まれた道を自転車に乗っていくのが、
きっと嬉しいのだろう。
黄色く揺れているのがセンダイハギ
鮮やかなオレンジがエゾスカシユリ
大空から赤く染めたティッシュを取り落としたかのような姿はハマナスの花
なんとなく垂れ下がって形が分かりにくい紫はヒオウギアヤメ
車の通らない穏やかな道を観光馬車が行く
ポク、ポク、ポク、ポク…
賢人の顔をしたおとなしい馬が行き交う自転車を嫌がることなく静かに進む
大きな、立派な体だけれど、その足取りはお父さんの靴をいたずらにはいた小さな女の子のように
どことなく不器用に重たげに見える。ポクポクポク…
カウボーイハットの御者さんがお客さんにガイドをしている。
「あのユリは上から見るとスカシが入っているからエゾスカシユリっていうんですよ」
へえ、そうか、そういえば切り絵細工のようによくできた透かし模様があるね。
優しい馬の顔を見るために道路脇に立ち止まって振り返ると、ガイドさんの声はちゃんと聞こえてくる速度だ。
草に掴まってないている小鳥
白と黒の衣装にのど元のオレンジがひときわ目に付くのがノビタキ
オリーブ色の衣装にのど元に赤をあしらったのはノゴマ
花や鳥を見るたび、立ち止まり立ち止まり行くと
二時間ほども自転車にのることになる
何にも遮られない青空とその下の濃く茂った緑それからヒバリの声に見送られて
「ちょっと疲れたよおお」と笑いながら引き返す
心持ち向かい風の竜宮街道

