オホーツクの花や風

北海道の遊歩道

小清水原生花園

エゾキスゲ

  • 国道244号線に沿い、オホーツク海と濤沸湖(とうふつこ)に挟まれた約8km(275ha)の細長い砂丘
  • 6月から8月にかけて、約40種類の花が開花する。6月中旬から7月下旬がもっとも美しい時期
  • インフォメーションセンター「Hana」:最盛期にはボランティアさんによるお花のガイドもあります。一日に数回行っているようですが大人気でした。写真ファイルによる園内の花の資料あり。手書きの心籠もった素敵な花新聞が一部十円。
  • ハマナス味ソフトクリームと小振りで二種類のフレーバーを盛りつけてくれるジェラードが大人気でした。ハマナスソフト試してみましたが美味でした。
  • <展望牧舎:原生花園湖側では、6月はじめから10月頃まで馬の放牧が行われています。ここから湿原を展望できます。
  • JR原生花園駅:5月から10月までの臨時停車駅です。駅長さんが記念撮影に応じてくれます。

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    → 小清水原生花園日記 2006年07月10日



    大きな空の下をオホーツク海岸に沿って網走から知床へ向かってすっと伸びる道の
    その海岸沿いの緑に鮮やかな色彩が混じり始めたらそこが小清水の原生花園。
    レモン色のひときわ目立つ色彩を添えているのはエゾキスゲという夏のユリの群生だ。

    丈の低い見晴らしのよい草原の中は花の色、
    潮の香りのする北側はオホーツクの涼しい海鳴り
    それから道の反対、南側は濤沸湖(とうふつこ)という静かな湖。

    その空と大地の真ん中を細く線路が縫っていて、一両列車がゆっくりごとごととやってくる。
    エゾキスゲとハマナスの色が一層鮮やかなところで幸せそうな電車は静かに停まり
    花畑の中の駅にほんの僅かな人を乗せるか降ろすかし、
    あるいは時々はまるきり人の出入りはないままで、
    またごとごとととオホーツク海に沿って遠くへ小さな角張った姿を消していく。
    花の時期だけ特別に動いている原生花園駅という小さくも誇らしげな駅。

    夏の北海道のよく澄んだ空とすっとした輪郭の斜里岳を背景に
    愛らしいパッチワークカラーの中を通る列車を撮ろうとして
    大きなカメラを忍耐強く準備して待つマニアが一人二人。
    遮断機の無い踏切に注意深い列車がそっと滑りこむと
    駅から離れてよそ見をしていた人たちまでがわっと喜んで駆け寄って
    玩具みたいなカメラから携帯電話まで色々なものをかざして写真を撮りたがる
    誰も彼も少しずつ浮かれておのぼりさんなのがあんまり恥ずかしくもない花畑の華やかさなのだ

    砂の綺麗なオホーツクの海岸は
    踏みしめると人を恋しがって鳴くのだという鳴き砂で
    新しげな華奢な靴を大切そうに履いてきた女の子達までが
    砂の付くのを厭わずにはしゃいで足を踏み入れなどしている。
    結局は花の咲き誇る空の高い夏の一日は
    この夏の為に新調した可憐な靴のキラキラにも勝ってしまうのだ。
    裸足で砂を踏むと熱い太陽の熱がぐっと土踏まずを通り抜けてやってくる。
    柔らかくあたる砂と皮膚の間では砂は鳴きもせずにサラサラとして歓迎を述べた。

    ハマナスの藪の間に
    景観に圧倒的にゴージャスな色を添えるエゾキスゲとエゾスカシユリが満開で、
    その合間に無邪気なほどの薄い白紫でポロポロ咲くのがハマフウロの五枚の花びら
    白いレースのようにすくっと立ち上がっているのはエゾノシシウド
    がばっと大きく広げた青空にすうっと描いたような白い雲が幾筋か。

    青い斜里岳を振り向いて訳もなく声を出して笑ってみる
    いったい何だってこんなところに
    こうも高く青空があって
    こうも色とりどりに花が咲いて
    ユリはこれほどに目に楽しいデザインと色をしていて
    オホーツクがなんとも言えず青くて
    草原が柔らかい魅力的な曲線で

    なんというかまあ
    ある夏の日に
    一体なんだって全てがこんな風にうまく行っているもんだろうか
    まったく見事なもんだと
    もう一度振り向いてみればお花畑の中で、みんなやっぱり笑っているのだ

    まったくほんとに大したものだ

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