オホーツクの花や風

北海道カヤック旅

釧路川中流域

ホザキシモツケ

  • 屈斜路湖を源として太平洋まで流れる長さ約154kmの川 。途中にダムがなく、上下流域の高低差が120m程度しかないおだやかな川で川下りに人気。
  • 今回のコース塘路湖畔から細岡カヌーポートを経由して岩保木水門まで15キロ約5時間のコースです。湿原の中を蛇行しながら流れる緩やかなコースです。
  • 塘路と細岡はJR駅が隣接しているのでここを利用すれば車なしでもカヤックツーリングが楽しめます。塘路湖から細岡までは10キロ約3時間
  • 今回は私のスキルの都合により上流部分には行っていませんが、下流域とは全く違う野性の表情をした川、だそうであります。
  • 岩保木水門の歴史:一度も開いた事がない水門なのです。その昔、釧路川流域はあまりにも度々洪水に悩まされたので、釧路川を市街地の手前で蓋して市街地を迂回した放水路の方に流してしまえ、ということを考えました。その時に作った蓋が岩保木水門、放水路は新釧路川です。当時は川を流通経路として利用していたので、人や物資を市街地に運ぶ時にだけこの蓋を開けて市街地の方に流すつもりだったのですね。ところがこの水門の完成が昭和5年でして、なんと昭和4年に国鉄釧網本線が開通してるんです。物資の運搬は陸路で行われるようになったということですね。かくて水門は1度も開いたことがないまま現在に至る。なんでそうなるの、と呟いてみる。
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    → 釧路川中流域日記 2006年08月11日



    カヤッカーに「釧路川」と言って
    連想するのは野田知佑さんではないかと思うのだが
    私もなんとなく「日本の川を旅する」という名著あたりを思い出す
    知らない人の為に書いておくと
    野田知佑という人は遊びカヤックの草分けで
    「楽しいからやるのだ」というとっても分かりやすいことをいう
    格好良い自由の人だ
    私は単純なことを言う人って凄く好きだ
    人間が賢いと世界は単純明晰になるし
    人間がお馬鹿だと世界はどんどん複雑怪奇になることだ、
    というようなことを最近結構よく思う
    賢くなって単純な世界に住みたい

    そんな訳で憧れの釧路川を下りにいく
    野田さんの愛した上流付近ではなく、中流からの出発
    塘路湖畔のキャンプ場から乗り出して釧路川へ流れ出る水路を通る
    もとい、「流れ出る水路」であるべきなのだとけども
    これが前夜の雨で逆流して流れこんできていたのがまず愉快だった。
    泥を含んだミルクティー色の液体が川の方から湖にむかって
    結構な勢いで流れて来ている。
    実のところ川下り初体験で、逆流する水路なんて進むのがどの程度の危険度なのか
    さっぱり想像も付かないのだけど
    家族連れの体験カヤックツアーが入っていくのを見て
    とりあえずこちらも乗り込んでみると
    結構な勢いで逆向きに流される。
    ツアーカヤックは一家族プラスガイド二人で、動力において圧倒的な安定感を持って
    ぐいぐい進んでいくんだが
    こちらは二人艇タンデム、2馬力。
    一人がちょっと鼻の頭なんか掻いてるととたんに変なところに流されて倒木に引っかかったりする
    今まで半分は昼寝していても何も起こらないような静水ばかり漕いでいたので
    ちょっとわくわくして良かった。
    倒木にはかなり注意が必要だったものの
    漕いでも漕いでもあまり進まないので案外周囲の景色はよく見ることができる。
    ホザキシモツケのピンクが鮮やかに両岸に咲いているのが印象的に見えた。
    進まない水路を一時間ほど掛かってせっせと漕ぐと釧路川本流が見えてくる。

    逆流するほど川の水量が増えてるだけあって
    川の流れはちょっと驚くほど早かった。
    ゆるいカーブで岸に叩きつけられないようにせっせと漕ぎながら釧路川へ合流。
    あとはなにもしなくても流れが旅を先へ先へと進めてくれる。
    カーブの所と障害物だけをときどき避けるように漕げば
    あとは湖よりも楽で楽しかった。
    岸は両側に深い森を抱いておおらかに蛇行しながらどこまでも続き
    早い流れは軽快に、軽く軽く我々を運んでいく。
    なんて楽しい
    10キロほど下った細岡カヌーポートには随分たくさんの車が停まって
    これから下るか、それとも下ってきた舟を拾う為に待機していた。
    流れはかなり緩くなり、パドルを入れて漕がなければあまり景色は変わらなくなってくる。
    うとうととして、つい眠くなる
    眠くなりながら真夏の昼下がり、のんびりドンブラと漕ぎ下っていく
    川の側を通る釧網本線が時折りカタンコトンと音を立てて広大な湿原を走る

    そしてさらに駅ふたつ分下ってやっと見えてくる丈高い人造物が
    岩保木水門で、ここがゴールだ
    建築以来一度も開かれたことはなく
    ただ観光用オブジェ兼カヤックの発着の目印となってしまっている不思議な水門を見やりながら
    のんびりと舟を畳む
    五時間半で下る予定だったものが
    前夜の豪雨による増水の助けで四時間半でくだってしまった初の川下り旅
    思ったよりも平穏無事で
    もう少しどきどきしてもよかったかもな、とこっそり思ったのだった

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