北海道カヤック旅
釧路川中流域

- 釧路川(塘路湖から岩保木水門まで15キロ)
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釧路川中流域日記 2006年08月11日
カヤッカーに「釧路川」と言って
連想するのは野田知佑さんではないかと思うのだが
私もなんとなく「日本の川を旅する」という名著あたりを思い出す
知らない人の為に書いておくと
野田知佑という人は遊びカヤックの草分けで
「楽しいからやるのだ」というとっても分かりやすいことをいう
格好良い自由の人だ
私は単純なことを言う人って凄く好きだ
人間が賢いと世界は単純明晰になるし
人間がお馬鹿だと世界はどんどん複雑怪奇になることだ、
というようなことを最近結構よく思う
賢くなって単純な世界に住みたい
そんな訳で憧れの釧路川を下りにいく
野田さんの愛した上流付近ではなく、中流からの出発
塘路湖畔のキャンプ場から乗り出して釧路川へ流れ出る水路を通る
もとい、「流れ出る水路」であるべきなのだとけども
これが前夜の雨で逆流して流れこんできていたのがまず愉快だった。
泥を含んだミルクティー色の液体が川の方から湖にむかって
結構な勢いで流れて来ている。
実のところ川下り初体験で、逆流する水路なんて進むのがどの程度の危険度なのか
さっぱり想像も付かないのだけど
家族連れの体験カヤックツアーが入っていくのを見て
とりあえずこちらも乗り込んでみると
結構な勢いで逆向きに流される。
ツアーカヤックは一家族プラスガイド二人で、動力において圧倒的な安定感を持って
ぐいぐい進んでいくんだが
こちらは二人艇タンデム、2馬力。
一人がちょっと鼻の頭なんか掻いてるととたんに変なところに流されて倒木に引っかかったりする
今まで半分は昼寝していても何も起こらないような静水ばかり漕いでいたので
ちょっとわくわくして良かった。
倒木にはかなり注意が必要だったものの
漕いでも漕いでもあまり進まないので案外周囲の景色はよく見ることができる。
ホザキシモツケのピンクが鮮やかに両岸に咲いているのが印象的に見えた。
進まない水路を一時間ほど掛かってせっせと漕ぐと釧路川本流が見えてくる。
逆流するほど川の水量が増えてるだけあって
川の流れはちょっと驚くほど早かった。
ゆるいカーブで岸に叩きつけられないようにせっせと漕ぎながら釧路川へ合流。
あとはなにもしなくても流れが旅を先へ先へと進めてくれる。
カーブの所と障害物だけをときどき避けるように漕げば
あとは湖よりも楽で楽しかった。
岸は両側に深い森を抱いておおらかに蛇行しながらどこまでも続き
早い流れは軽快に、軽く軽く我々を運んでいく。
なんて楽しい
10キロほど下った細岡カヌーポートには随分たくさんの車が停まって
これから下るか、それとも下ってきた舟を拾う為に待機していた。
流れはかなり緩くなり、パドルを入れて漕がなければあまり景色は変わらなくなってくる。
うとうととして、つい眠くなる
眠くなりながら真夏の昼下がり、のんびりドンブラと漕ぎ下っていく
川の側を通る釧網本線が時折りカタンコトンと音を立てて広大な湿原を走る
そしてさらに駅ふたつ分下ってやっと見えてくる丈高い人造物が
岩保木水門で、ここがゴールだ
建築以来一度も開かれたことはなく
ただ観光用オブジェ兼カヤックの発着の目印となってしまっている不思議な水門を見やりながら
のんびりと舟を畳む
五時間半で下る予定だったものが
前夜の豪雨による増水の助けで四時間半でくだってしまった初の川下り旅
思ったよりも平穏無事で
もう少しどきどきしてもよかったかもな、とこっそり思ったのだった
