オホーツクの生き物
えぞりすポン太

- エゾリス
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えぞりすポン太日記 2006年11月16日
神社には立派なエゾマツがあって
今の時期そこに行くとたいていエゾリスに会える
よく会う間柄なのに「エゾリス」なんて言うのも
なんか友達に向かって「ニンゲン」って呼んでるような水臭い感じがするので
ポン太、と呼ぶことにしていて
神社のエゾリスは全部ポン太だ。
で、同時に三匹、四匹と出てきてしまった時には
ポン太、ポン吉、ポン子、ポン助というふうに
ひたすらバリエーションでカバーすることにしている。
エゾリスポン太はエゾマツの実を両手で抱えて
枝の根元の足場のしっかりしたところでせっせと実をかじる
エゾマツの松ぼっくりって結構大きくて7,8センチはある。
ポン太も近くで見ると以外と大きなリスなんだけど、
でも見比べると松の実が体長の三分の一くらいに見える
たとえば158センチの私だったら
五十センチの長さのとうもろこしをかじってるくらいの感じなわけで
なかなか食べるのも楽じゃないのだ
見ているとひとつ食べ終わるのに三十分以上はかかっている
松ぼっくりのどこを食べるのかというと
あのからからに乾いたうろこみたいな翼を食べるわけじゃなくって
あの翼の付け根に一枚に一個づつついている種子を食べるわけだ
だからもちろん、落ちた松ぼっくりなんか食べるわけじゃない
あれはもう翼が開いて、たぶん中の種子が飛んでいってしまってるから
自分で枝先まで行ってわざわざ千切りとってくるわけだ
ぶら下がってるまつぼっくりというのは、
ポン太にとってはとっても取りにくいのだな
枝先の一番先まで行ってぶら下がってうんと伸びをして松ぼっくりを抱えて取る
で、取ったらすわり心地のいいお気に入りの枝のところまで運んできて
両手でしっかり押さえて、やっと食事が始まる
ポン太は絶対に松ぼっくりのお尻の方から食べる
ポン太の食べ残しはよく焚きつけにするために拾ってくるけども
頭から食べた跡はひとつもみたことがない
全部お尻の方から食べ初めて頭(とうもろこしで言えば穂先)のほうの小さい翼は少し食べ残してある
多分とうもろこしと一緒で先端の方は良い種子がついてないのじゃないかな
お尻の方から念入りに一枚ずつ翼をかじりとってそこに隠れている種子を食べて、
あとの翼部分は食べないで、縁側でスイカを食べるおじさんみたいにぺっぺっと投げ捨てるから
木の下でポン太の食事を見ていると頭からいっぱい松ぼっくりの翼が降ってくる
静かなエゾ松の木立にポン太が松ぼっくりをかじるカジカジカジカジ・・・・っていう音だけがよく響く
なるべく驚かさないように低い姿勢でそろりそろりと近づきながら見るわけだけど
時々大胆に近づきすぎたりするとポン太は急に食べるのをやめて
ゴフッゴフッというような打楽器みたいな音を立てて尻尾を揺らして怒る
それから横向きに食べかけの松ぼっくりを咥えて
もっと高い枝の根元にちょろちょろと移ってそこで食事を再開する
だからあんまりポン太を怒らせると、そのたびに私の首がどんどん痛くなってくる
そんな風にしてポン太は結構一時間くらいは私の遊びの相手をしてくれるのだけど
でもさすがにあんまり長い間食事をじろじろ見られるってのは落ち着かないみたいで
どんどん高い枝へ行くし、どんどん林の奥のほうへ行って
一時間くらいでとうとう居なくなる
でも多分そうやってポン太は
一日中林の中で松ぼっくりを食べ続けているのだろうし
時々気分転換に人間を観察しながら松ぼっくりを食べたりするのだって
まあそんなに悪くもない、と思ってるんじゃないだろうか
