オホーツク移住生活
ムックリ

- ムックリ
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ムックリ日記 2007年08月08日
川湯、という大好きな温泉地で
ささやかなお祭りが開催されており、
アイヌ舞踊が見られる、というので行ってみた
「私たちの踊りは華やかなものではありません」というふうに
初めに言って踊り始めたその言葉の通りに
それは非常に淡々として、そして単純な繰り返しの連続で
土を見つめるように、うつむくようにして
踊る姿がとっても印象的だった
うっそうと木が茂るので空が狭くなって暗く見えるところで
単調な繰り返しのように聞こえる
笹の音とか木の葉の音とか
そういうものを絶え間なく耳にしながら暮らし
そうして自然の一部として
「華やかではない踊り」を自然に溶け込ませるようにして
きっとそうやって踊るものだったんじゃないかしら
淡々として、力強い
木や草やその中深くで暮らしていく生活を
あまりにもはっきりと想像させるものなので
じっと立ち尽くしてみてしまった
よく響くけど決して甲高くない歌は
歌というよりお経のようであるようにも聞こえて
いつまでも耳に残る
ムックリというこれ以上にないほどシンプルな作りの
竹製の口琴も、はじめて生で聞くものだった
ビヨンビヨン、というなんだか不思議な音色はよくアイヌコタンの
おみやげ物やさんの店先で聞くのだけど
目の前でアイヌ装束に身を包んだ人が鳴らすのを見たのは初めてで
それはもう、感動するのだ
何に感動するのか、というのは良く分からないんだけど
音だけ聞いて感動しないのに
どうして目の前で見ると感動するのかというのは
たぶん、これも生活するための何かだったから感動するんじゃないかなあ
音が揺れながら夜空の方にのぼっていって消えていく
消えた先で、また誰かが聞いているようだ
ムックリ、400円
使い方を教えてあげますよ、
というので子供の輪に混じって教えてもらった
輪になっている方の糸を小指に引っ掛けて左手でしっかり持ち
右手でもう一方の糸を強くはじいて竹をしならせてビューンという音をだす
それを口に持ってきて口腔の広げ具合で共鳴させるのだ
これが、最初はなかなかならない
「うん?・・・うん?・・・え?」
ムックリを握り締めて固まっていると
「どれ、教えてやる」と
アイヌ装束のお姉さん、子供たちそっちのけで私の専属講師
「もっと垂直に引っ張ってごらん」
「・・・・・垂直ってどっちだけ?」
「・・・」
「・・・」
習う事10分くらいで、それでも一応音は出るのだ
ビュン
「あ、なった」
「鳴りましたあ」
と喜んで講習終了
やりすぎると手が痛くなるから気をつけて、といわれて
喜んでビヨンビヨン鳴らしながら
夜道を歩いてアイヌコタンの通りを抜けていく
一応、やればやるほどすぐにうまくなるのだが
音の深みはやっぱりさすがに違うのだ
どうしてあれほど力強く、そして色々な音が出るのか、
というのはわからないながら
音が出さえすれば楽しい
翌日は手も口もひりひりしました、
というオチ
